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井戸村 泰宏; 伊奈 拓也*; Ali, Y.*; 今村 俊幸*
第34回数値流体力学シンポジウム講演論文集(インターネット), 6 Pages, 2020/12
ジャイロ運動論的トロイダル5次元full-fオイラーコードGT5Dにおける半陰解法差分計算用に新しいFP16(半精度)前処理付き省通信クリロフソルバを開発した。このソルバでは、大域的集団通信のボトルネックを省通信クリロフ部分空間法によって解決し、さらに収束特性を向上するFP16前処理によって袖通信を削減した。FP16前処理は演算子の物理特性に基づいて設計し、A64FXで新たにサポートされたFP16SIMD処理を用いた実装した。このソルバをGPUにも移植し、約1,000億格子のITER規模計算の性能を富岳(A64FX)とSummit(V100)で測定した。従来の非省通信型ソルバに比べて、新しいソルバはGT5Dを倍加速し、富岳とSummitの両方で5,760CPU/GPUまで良好な強スケーリングが得られた。
岸本 泰明
シミュレーション, 22(2), p.89 - 97, 2003/06
本稿では、原研における数値トカマク実験(NEXT:Numerical EXperiment of Tokamak)の進展と今後の展開を解説したものである。異なった時間・空間スケールの現象が混在した多階層・複合過程としてのプラズマのシミュレーション手法と、それに基づくトカマク研究の位置づけに関する詳細が議論されている。
井戸村 泰宏
no journal, ,
本講演ではIFERC-CSC第3期プロジェクトGT5DISOの研究成果を概説する。規格化装置サイズや加熱パワーの異なる水素プラズマと重水素プラズマにおけるイオン温度勾配駆動乱流のfull-fジャイロ運動論シミュレーションを実施し、核融合炉心プラズマの閉じ込め特性の水素同位体依存性を評価した。この結果、規格化装置サイズの変化による水素同位体効果については実験の閉じ込めスケーリングを再現したが、イオン質量の変化による効果は明確に確認できなかった。このことから、水素同位体効果を完全に再現するには電子系乱流を含むシミュレーションが必要であることがわかった。
井戸村 泰宏
no journal, ,
full-fジャイロ運動論コードGT5Dを用いてイオン温度勾配駆動捕捉電子モード(ITG-TEM)乱流の電子変調加熱数値実験を実施し、実験と同様の密度分布のピーキング、および、プラズマ回転の変化を再現することに成功した。トロイダル角運動量保存則に基づく解析の結果、電子加熱によって主要な乱流がITG乱流からTEM乱流に変化し、粒子輸送の向きが逆転する。これに伴って、径方向イオン電流によるトルクが逆転し、プラズマ回転を変化させることがわかった。
井戸村 泰宏
no journal, ,
省通信一般化最小残差(CA-GMRES)法をジャイロ運動論的トロイダル5次元オイラーコードに適用し、Oakforest-PACS(KNL)上で一般化共役残差(GCR)法に基づくオリジナルコードに対する性能比較を実施した。CA-GMRES法はGCR法に比べてメモリアクセスと集団通信が少なく、メモリとネットワークの帯域幅が制限された将来のエクサスケールアーキテクチャに適している。1280ノードを用いた場合、元のGCR版に比べてCA-GMRES版は1.32倍高速であり、データ縮約通信のコストが全体コストの約13%から約1%に削減されることが示された。
井戸村 泰宏; 伊奈 拓也*; 真弓 明恵; 山田 進; 松本 和也*; 朝比 祐一*; 今村 俊幸*
no journal, ,
本研究ではオリジナルの省通信一般化最小残差(CA-GMRES)法と同じ省通信特性を維持しつつ計算量とメモリーアクセスを30%削減する修正CA-GMRES法を提案する。より高い演算密度、かつ、より少ない通信量と計算量という演算特性はメモリ帯域幅と通信帯域幅が制限される将来のエクサスケール計算機に対して有望な特徴である。修正CA-GMRES法をジャイロ運動論的トロイダル5次元オイラーコードGT5Dの陰解法ソルバにおける大規模非対称行列に適用し、Oakforest-PACS(KNL)において性能評価を行った。数値実験結果から、一般化共役残差法と比べて、演算カーネルは1.5倍高速化され、1,280ノード利用時のデータ縮約通信コストは全体コストの12.5%から1%に削減されることが示された。